鋼の錬金術師ウィキ
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テンプレート:Pathnav エドワード・エルリックは、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』、及びそれを原作としたテレビアニメに登場する架空の人物。

TVアニメ版(第1作FULLMETAL ALCHEMIST共通)、劇場版共に声優朴璐美ドラマCD第一弾の声優は皆川純子

ネタバレ

概要

本作の主人公で、通称「エド」。史上最年少で国家錬金術師の資格を得た錬金術師で、「」の二つ名を持つ(なお、本作の題名にもなっているこの二つ名「鋼の錬金術師」は、エドの右手と左足が機械鎧であることに由来する)。

大陸暦1899年の冬生まれ[1]。物語開始時は15歳で、単行本23巻時点では16歳。アメストリス国の東部の街・リゼンブール出身。

肉親はヴァン・ホーエンハイム(父)、トリシャ・エルリック(母)、アルフォンス・エルリック(弟)。ホーエンハイムとトリシャが事実婚である為、母方の姓を名乗っている。他に、幼馴染としてウィンリィ・ロックベルがいる。

「フラメルの十字架」を背負った赤いコートがトレードマーク。第85話で赤い布を買って自身で錬成するなど、この赤いコートに本人は愛着を持っているようである。本来右利きであるが、機械鎧にした関係で細かい動作は左手を使う。

錬金術師である父の影響か、幼少時より弟アルフォンス(アル)と共に錬金術の初歩を独学で修得、才能の片鱗を見せる。5歳の頃に母を亡くしたことから、弟と共に人体錬成によって母を生き返らせることを目標とし、9歳の頃2人の師、イズミ・カーティスの下で錬金術を学んだ後に帰郷し、11歳で人体錬成を行うが失敗。失敗の代償は大きく、エドは左足を、アルは肉体の全てを失った。更にエドは右腕を代価とし、アルの魂を錬成したため右腕をも失ってしまう。

深い絶望に陥ったエドであったが、マスタング中佐(当時)の勧めで国家錬金術師になる事を決意する。その後は、失った右腕と左足を機械鎧(オートメイル)と呼ばれる義手と義足で補い、12歳にして国家錬金術師の資格を取得。「覚悟を決めるため」として自らの家を焼き払い、失った手足と弟の身体を取り戻す方法(賢者の石)を探すため、アルと共に旅に出る。

そして4年にも渡る旅と、ホムンクルス達との戦いの末に賢者の石の正体=生きた複数の人間が材料である事実を知り、賢者の石に頼り切って同じ過ちを繰り返そうとしていた自分達のおこがましさを自覚、賢者の石に頼る事を諦める。だが結果として、賢者の石への執着を捨てた事が兄弟にとって心身共に大きな成長へと繋がる事となった(それ以降、賢者の石を見せられても欲しがったり自分から使おうなどとは二度とする事はなかった)。同時にアルの肉体の居場所とホムンクルス達の目的を知ったため、賢者の石を使わずに元の肉体に戻る方法を模索し始める。その道中でマスタングやオリヴィエなど一部の軍部、そして傷の男達とも協力関係を結んだ。

その後アルが傷の男一行とともに逃亡するウィンリィを追っていったことで別行動をとることとなり、自らは単独でキンブリーと交戦するも敗北、重傷を負ったところをキンブリーの部下だった合成獣人間・ダリウスとハインケルに助けられ、以後行動を共にする。後に2代目グリードとなったリンと合流し、彼から知らされた「約束の日」のために4人で行動、機械鎧の微調整を行う為、リゼンブールへと向いピナコに匿われていた。その後、セントラルシティ郊外のカナマスラムにて父・ホーエンハイムと再会。会って早々にホーエンハイムを殴るが、その生い立ちを聞いた後、母親の遺言を伝えて素直にはなれないものの半ば和解した。

単行本14巻の初回特典のラフ画集では成長した姿が描かれ、40代に頭髪の危機を感じてWAKAMEKONBUを求めて東の国へ旅に出る。しかしながら80歳の彼はピナコ並みに縮んで頭髪も波平のようになってしまう。そして88歳で天寿を全うするという設定が披露されている(一応は本気で考えているらしい)。更に小説・砂礫の大地の後書きに19歳で身長170オーバーのエドワードが描かれている。

なお、エドが家を焼き払ったのは、国家錬金術師資格取得後の1911年10月3日(ちなみにこの時には既に12歳になっていたため、誕生月は1月~3月と思われる)。ホーエンハイムにその理由を「過ちを犯した跡を見たくないからじゃないのか?」と指摘された。この言葉がきっかけで母親の墓を掘り返す事になり、アルが元の身体に戻れる手掛りを掴むことができた。

嫌いなモノは恩人にあたるロイ・マスタングと牛乳。だが、牛乳を使う料理でシチューは好き(トリシャの得意料理だった)。ごつい角や牙などを好む独特のセンスを持ち、錬成物のディテールや似顔絵のイメージが常人離れしている。本人曰く、「特徴を捉えればそれでいい」と思っている様子。

なお、作品初期では失った手足について「イシュヴァール内乱で失った」とごまかしていた(人体錬成が禁忌とされている為)。

プロフィール

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squldさん作

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ウエストウッドさん作

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ウエストウッドさん作

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ウエストウッドさん作

Edo

raichiさん作 (2004-08-22)

Edward

無限丸さん作

誕生日 冬ではあるが詳細は不明

身長
21巻の時点でウィンリィより背が高くなっている。
体重

身体

長い金髪と金色の瞳が特徴。これは父がクセルクセス人であり、クセルクセスの血が濃く出たためである。ただしホーエンハイムよりも若干栗色が混ざった髪質であり、その点はトリシャの血も出ている。

身長が低く(ブーツや飛び跳ねた髪の毛を含めた「全長」でも165cm)、強いコンプレックスを抱いている[2]。「チビ」「豆」「みじんこ」などの単語に過敏に反応し(自分で言ってしまった場合も例外ではなく、自己嫌悪になってしまうこともある)、言われた回数を事細かに記憶するなど深く根に持つ。頭頂から一房飛び出したアホ毛(作者曰く「アンテナ」)は、少しでも身長を大きく見せようと、自分でセットしている。

身長が低い理由については、牛乳を飲まないことが原因というのが一般的とされているが(牛乳をかなり嫌っている描写がある)、「門の向こう」に奪われた弟の肉体と栄養・睡眠などの面を共有しているためではないか、という仮説が作中に登場している(そのためか、アル曰く気が付くといつも寝ているらしい)。また幼少時から装着している機械鎧の重さが原因という説もある。

ただし、ブリッグズからの逃亡を経てリゼンブールでウィンリィと再会した際、彼女の背を完全に抜いており、ここ一年でかなり身長が伸びている(少なくとも「身長」165cm以上になっている)。この間は寒冷地仕様の軽量の機械鎧を装着していた。

第五研究所でのナンバー48戦以後は右の額に傷がある。その為、戦いの際によく傷口が開いたが、現在は完治している。

性格

いわゆる自己中心的な性格で、感情的になりやすく非常に短気で捻くれている[3]。しかし同時に思いやりがあり、繊細で感受性の強い人物でもある。アルやウィンリィなど、自分の大切な人に危害を加えようとする(加えた)者に対しては激しい怒りを示し、時に報復行為に出る。また弟の身体を失わせてしまったことに対して強い負い目を感じている。

何かを思い立つと即座に実行に移すなど行動力はあるが、周囲に特に相談することなく、どんどん次のステップへ進む(または失敗して問題を引き起こす)傾向がある為、周囲からはトラブルメーカーとして認識されている節がある。

短気の割に頭は非常に良く、回転も速い。鋭い洞察力も持ち合わせており、困難な局面を打開させることもしばしば。また探究心が強く勉強熱心である。一度調べ物を始めると時間が経つのも忘れて没頭するくらい集中力も高い。さらに難しい書物や資料も正確に理解・分析する読解力も持ち、そこから導き出した答えを発展させる応用力もある。このことからもわかる通り、彼の優れた資質は天賦の才というよりも努力の賜物と言える。既成事実だけに捕らわれない、非常に柔軟な思考の持ち主だが、非科学的なものは信じないリアリストでもある。また前述の柔軟な考え方の根元はシチューの製作者からきている。牛乳が大嫌いなエドがシチューが食べられるように、野菜スープに牛乳を入れるという既成概念にとらわれない製作法からきている。

基本的にはアル同様に動物好きではあるが、アレキサンダーやブラックハヤテ号に押し倒されたり、シャオメイに噛まれたりと何故かその動物達から酷い目に遭わされる事が多い。(アレキサンダーとブラックハヤテ号は懐いているだけと思われるが、シャオメイからはヨキと並んで最低ランクにされるなど完全に嘗められている。)

恋愛に関しては非常に一途で、幼少時からウィンリィに恋心を寄せている。口喧嘩こそはするが、エドの方はスパナで殴られても仕返しは絶対にしない。当初は自分の気持ちに対して素直になれず、周囲からからかわれていたが、巻を進めるにつれて自分の気持ちに正直になってきており、終盤ではほぼ相思相愛になり、最終的に結婚まで漕ぎ着けている。一方でウィンリィ以外の女性にはあまり容赦せず、銀時計を盗んだとはいえパニーニャの頭をお仕置きと称して鋼の右手で殴った事がある(21巻のおまけ4コマではデリカシーのない発言を繰り返し、メイに「エドワードさんって女の子にモテないでショ」ときつい言葉を言われた)。

能力

錬金術師として一流の能力を有しており、真理の扉からの帰還や特定人物の魂の錬成、史上最年少での国家錬金術師資格取得などがそれを証明している。また真理を見ているため、錬成陣を書かずに錬金術を発動でき、加えて古の錬金術(クセルクセス遺跡にあった錬金術の暗号)も数十分で理解してしまう。

子供の頃から絵本代わりに錬金術書を読んで育った為、錬金術に対する思索が非常に優れ、錬金術の原則とされる「等価交換の原則」に関しては人生の常識と化している面がある(どんなことも等価交換に置き換えてしまう傾向があり、オリヴィエから「クソくらえだ。そんな法則ぶち破ってしまえばいい」と酷評されたこともある)。

特定分野に偏りがちな他の錬金術師と比べて広範囲に及ぶ知識・技術を持っており、中でも金属系の錬金術を得意とする。しかし、上記の通り練成されたものはたいてい角と牙が強調された悪魔的で毒々しいデザインの為、周りの者からの評価はあまり良くない。ちなみに、一般市民が錬金術を悪用するのを防ぐ為、錬金術師は自身の研究内容を暗号化するのが常だが、エドの研究書は分厚い革張りの手帳で、旅の日記風に暗号化されている。非常に高度な暗号であり、弟のアルでもよく理解できないが、「平均的な大人一人分の人体の構成成分[4]」などが記入されていたことが分かっている。

イズミから錬金術と同時に体術を習っており、戦闘では錬金術と体術を駆使し、臨機応変に戦う。その際、主に右手の機械鎧をパタのような刃物に錬成し武器とするが、ウィンリィの前でこれをやるとスパナで殴られる。またブリッグズ山を訪れて以降、炭素繊維を含む合成繊維を使用する事で軽量性・柔軟性・耐寒性に特化した、寒冷地用機械鎧へと換装したことにより、打撃力や強度と引き換えに傷の男を上回る程の敏捷性を得た事に加え、炭素繊維を表面に集中させた上でその結合度を上げる事により、グリードの「最強の盾」同様の炭素硬化による防御力上昇も可能となった。

またグラトニーに飲み込まれ送り込まれた、「現実と真理の狭間」の異空間から脱出するべく「真理の扉」を開いた際、エンヴィーの賢者の石を用いて人体錬成を行った経験を応用した事で、生命エネルギーそのものを賢者の石に見立てて錬金術に用いる術を獲得。自分の魂を錬成エネルギーとして使用する事によって、致命傷となり得る重傷を治癒してみせる等、等価交換の原則をある程度逸脱した錬金術の発動を実現すると共に、自身の魂の一部を賢者の石に錬成し、賢者の石を核にした人造人間の魂に干渉する事も可能で、これによりプライドから本体のみを抽出して殺さずに無力化するといった荒業も披露している。

物語の結末

マスタングやイズミ、リン&グリードら仲間達と共に「お父様」の計画阻止のために戦う。戦いの中核を担い、プライドを完全に殺すことなく倒すことにも成功する。決戦の最中に機械鎧の右腕を完全に破壊されピンチに陥るが、アルが自身を代価に生身の右腕を再錬成しお父様を圧倒、勝利に至る。

長い旅と戦いの果てに、最終的には「真理の扉」とその向こうの情報こそが、全ての錬金術の代価となり得るという真理に到達。戦いの直後に行った「最後の錬成」に於いて自分の真理の扉(錬金術)を代価として支払った事で、真理に存在全てを持って行かれたアルフォンスを再び連れ戻す権利を得た。通常は自分の扉を失った時点で現実空間には戻れなくなるが、エドの場合はアルと精神が混線していた事により、アルの扉を通って現実空間に戻る事ができた。左足は自戒の意味をこめてあえて取り戻していない。錬金術を使うことはできなくなった為、国家錬金術師の資格も返上したものと思われる。

最後の戦いから2年後、ニーナのような悲劇を繰り返さない為、西の国々の様々な学問や知識を得る為に、再び旅に出ることを決意。旅立つ前に不器用ながらもウィンリィにプロポーズした。その後帰国してウィンリィと結婚。二児の父親となっている。ちなみに上の子供はエド似の男の子、下の子供はウィンリィ似の女の子である。[5]

アニメ版(第1作)での設定

アニメ版第一作目では母親を亡くした年齢が10歳であり、家を焼いたのは国家錬金術師資格取得前である1910年10月3日。身長については、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのイベントであった等身大エドの身長が154~156cmだったことから、(アニメ版での)実際の身長は150cm台の半ばと見られる。

アニメ版のエドは原作に比べ陰惨な体験を数多くしている。11歳から12歳にかけて、正当防衛とはいえ殺人を犯してしまう、ウィンリィと共にバリー・ザ・チョッパーに襲われる、子供の母親の死体、ニーナとアレキサンダーで錬成されたキメラの惨殺死体を目の当たりにするなど、いくつものトラウマを抱え情緒不安定な精神になっていた。それ故に原作のエドからはとても想像できない言動が多く、ウィンリィと同じく賛否両論が分かれるキャラクターである。

物語終盤、苦心の末に賢者の石を手に入れるが、それはアルの鎧、つまりアルそのものであった。その後、賢者の石を狙うホムンクルスから逃げ延びたが、アルはエンヴィーによってダンテの地下都市にさらわれてしまう。エドはアルを救出するため地下都市に向かうが、エンヴィーに胸を貫かれ殺される。しかしアルが賢者の石である自身を代価にエドを生き返らせる。結果アルは消滅するが、エドは自身と自分達の旅してきた4年間の記憶を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体で人体錬成を行った以後の記憶を全て失くした状態で蘇る。エドは代価として現実世界に飛ばされるが元の世界に戻る方法としてロケット工学を学ぶ。

OVAでは劇場版後の話が描かれており、2005年には100歳を迎えた。長髪に髭の生えた、原作に登場する「お父様」に似た姿で描かれている(「お父様」がホーエンハイムの血で誕生したホムンクルスであるため)。日本に移住し、曾曾孫達に誕生日を祝ってもらっている様子が描かれている。エド(もしくはアル)の孫達の中にウィンリィに酷似した人物がいて、エドの事を「曾じいちゃん」と呼んでいることから、現実世界のウィンリィと結婚した可能性がある。やはり若い頃に同年代の子以上に運動をし続けてきたせいか、杖も車椅子も使わず、猫背にもなっていない。

自宅マンションの壁には核実験や戦争、冷戦、宇宙開発などの新聞記事の切り抜きが多数貼られており、年老いてもなお、門の向こう側へ帰る方法を模索しているようである。

脚注

  1. 単行本12巻で、作者がエドが誕生日を迎えた頃に物語が冬になっているため、冬に生まれたということになっていると回答。
  2. 小柄だが、身体は筋肉質で引き締まっている。
  3. 短気なのは、牛乳嫌いから来るカルシウム不足も一因とされる。
  4. 空想科学読本」の検証によると、"平均的な"大人の構成とするには成分が偏っている
  5. 時系列は不明だが、最終回の無数の写真の中にウィンリィと結ばれ、1男1女を授かった様子が描かれている。ちなみにこの写真に於けるエド一家の構図は、ホーエンハイムとトリシャが撮った写真の構図と全く同じである。

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